2019年09月観劇メモ
色々重なり時間がない1ヶ月で、お世話になっている東京在住の方が、10年ぶり(もっとかも)に関西の劇場に来られるというのに、会いに行けずじまいでした。
- 長谷川劇団@朝日劇場
「女ねずみ小僧」・京未来長谷川一馬花形襲名披露特別公演 - 公開講座「猿之助歌舞伎 創造と創造」@京都造形芸術大学 春秋座
- 都若丸劇団@梅田呉服座 都清華さん誕生日公演「へちまの花」
- 劇団九州男@箕面劇場「お伊勢帰り」
- 新派公演@松竹座「黒蜥蜴」「家族はつらいよ」
- 小林劇団@がんこ座「松五郎懺悔」「明日渡り鳥」
- 花組むらさき@鈴成り座「お銀片割れ月夜」
今月初めに父が亡くなりました。この曲でお面をつけて踊られることが多いのですが、この日、思いました。これは死出の旅の顔なのかもしれないと。
リーダーの歌!もう興奮。素晴らしい・・・
太夫元、舞踊もお芝居も力強い。
大衆演劇のお芝居 苦しくなる言葉
「女にとって嫁いだ先が死に場所だ」
大衆演劇の人情もののお芝居で、よくあるセリフ。
「またか…」
こころで思う。
聞くたびに胸が苦しくなる言葉。
こんな言葉があるばかりに、どれだけの女性たちが自由を奪われ、理不尽さに涙を流してきただろうか。
人情芝居の名の下に繰り広げられる、あまりにも時代錯誤としか言いようがないセリフや、今で言うところの「ドメスティック・バイオレンス」の表現を見て、お芝居でも看過できない時がある。
お芝居の根本を否定するつもりもない。
やるならそれなりの解釈が必要と、思うのだ。
乱暴に、リアルに振る舞うだけならばそれは「演技」じゃない。
「やくざの役と兵隊の役は素人でもできる」
どなたかが言っていたが、本当だ。
「やくざの役と兵隊の役は素人でもできる」に「DVオトコ」も加えたい。
自分より弱い立場の者を叩く、蹴る…
「暴力」を演じる時ほど慎重に考えて演じるべきと思う。
例えば歌舞伎の「殺し」の場面のような「型」としての表現や、
心理を視覚に見せるやり方があるのは、様式美だけのこととは思えない。
大衆演劇の客席の8割は女性。
女性3人に1人が、DV被害の経験者である。
百歩譲って・・・
どうか肯定しないでほしい。
受けた側や周りが抵抗するなりしてほしい。
「 昔からやってきた」で済まさないでほしい。
徐々に減らすか、表現を改めてほしい・・・と、切に願う。
大衆演劇のお芝居 身体からの言葉 2019年8月
大衆演劇のお芝居の何がすごいか。
「役者の身体にお芝居が入っている」ところ。
先日「男人情花」というお外題を、見ている時に思った。
この日は2人のベテランが頑張る日だった。
何度も観たことのあるお芝居なので、はじめは「これかぁ…」と実は。
しかし、すごかった。
芝居が熱い。厚い&アツい。
ベテラン2人が、互いの面子をかけて演じる、
身体から振り絞るようなセリフ、「情」の表現が。
よくあるパターンの、やくざ渡世の義理と人情を描いたもの。
特別に凝った言い回しもなく、おなじみのセリフが続くのだけど、
2人のベテランの身体から絞り出される言葉は、まるで別ものである。
聞いていると、あったまった鍋になったみたいに身体がカッカしてきた。
序幕は様子伺いな感があったけれど、中盤あたりから勢いづき、水かさを増した川の流れのように進んでいく。
「わたしとこの子を連れて逃げておくれ。たとえ3日、いや、2日、1日、半日でもいい。親子3人、川という字で寝てみたい」
望まぬ結婚で、女にとっては地獄の日々だった。だからもう死ぬつもりで、最後の願いを真に愛する男にぶつけた。
男はようやく「義理」より「情」を選ぶ。
すぐに追っ手がかかる。筆頭には男の弟分。
弟分も「義理」と「情」の板挟み。
「えい!」
互いに刀を振りかざしては、止め。振りかざしては、また止める。
振り下ろされた刀は、2人の男の間に入った女の身体を貫いた…
「お吉(女の名)を一人で行かせるわけにはいけねえ」
弟分に向けていた刀を、自らの腹へと返し、突き刺した男は、
最後の力を振り絞って、刀を捨て、手ぬぐいを取り出し、女の亡骸についた血を拭って、愛おしそうに見つめ、、絶命する。。。
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終演後、今日のこのお芝居、セリフ合わせなしで上演されたと言うのでびっくりした。
「昔めちゃめちゃ怒られながらやってたんでね。やってる間にもどんどん思い出すし」と、弟役の座長。
ひええ。稽古なしであの舞台だったとは…
主役の役者さんも「もう必死やったし」と笑う。
若座長が、彼にとって父と父の先輩の芝居を舞台袖から見て「いつもと違うやり方で勉強になった、思わず泣いてしまった」と明かしていた。
ここから先はわたしの読みですが、、、
最後に男が女の身体を拭ったのは、アドリブだったのではないだろうか。
演じているうちに自然にそうした、そんな気がした。
そしてもう1つ。
息絶えた2人を前に、呆然とする弟分の、行動。
着ていた羽織を兄貴分である男にかけようとしたが手を止めて、女の方にかけてやる
どちらも今回でなくても、何度かやるうちに、そうしようとなったのではないだろうか・・・
そんな気がする。
「誰も悪くねえ。バカなやくざ渡世がお吉をこんな姿にしたんだ…」
演じているうちに、出てくる心の言葉。
これが、大衆演劇のお芝居の領分たらしめるところではないだろうか。
セリフは舞台の上で生まれる。
2019年08月観劇記録
8月はきつかった。精神的にかなり参ることがありました。
忙しくて行こうと思っていた劇場に行けず終いに。
月末にやっと気持ちを取り戻せました。
「出来ぬ堪忍するが誠の堪忍ぞ」
- 南條隆とスーパー兄弟@梅田呉服座
「悪の華エピソード0」
龍美麗総座長誕生日公演「泣いた青鬼」・「花と龍」 - Bye My Barrier@Kyoto Metro(赤ちゃん婆ちゃん出演)
- 劇団大川@オーエス劇場 ゲスト沢田ひろしさん「雪化粧」
「故郷の兄」 - 嵐山瞳太郎劇団@明生座「信州一羽鴉」
- うらたじゅんさんお別れ会@かぜのね
- 藤間劇団@九条笑楽座
「鯉名の銀平」
光明亮太郎祭り「素浪人」・新導あき祭り「羽衣情話」 - 劇団桃華@あがりゃんせ劇場「島帰りの男」
- 劇団鯱@鈴成り座 陽之介&政次祭り「男人情花」
- 講演会「日本少女歌劇座の35年」@やまと郡山城ホール
- ハニカミ!+@日本橋 Pollux Thesater「海りぼっち」
2019年07月観劇メモ
いろいろ観ました
- 劇団天虎@羅い舞座堺東店旗揚げ公演「上を向いて歩こう」
ゲスト:司大樹、新導あき、飛雄馬、暁龍麿、なおと(1ヶ月)
駒澤輝馬(1〜5日まで)
「五条のかけひき」ゲスト都星矢 - 都若丸劇団@朝日劇場「大阪情話 涙の餞別」
- 南條隆とスーパー兄弟@弁天座 美麗の日「壬生義士伝」
- 劇団鯱@梅田呉服座 政次祭り「命の灯」
- 劇団朱光@篠原演芸場「江戸の夜話夢話」
若葉しげるさん一人芝居「お母さんの弁当箱」 - 劇団三ツ矢@大島劇場 ゲスト劇団戸田、北条嵐さん
「遊侠三代」 - 一見劇団@羅い舞座京橋劇場
「男の人生」「我が故郷は情の雨」 - 劇団あやめ@がんこ座「人情」(?)
- 劇団天華@千鳥劇場「紅い梅 白い梅」
- 大衆演劇Bar .K
- 関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念
七月大歌舞伎@松竹座 夜の部
「芦屋道満大内鑑 葛の葉」
「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)」
「上州土産百両首」
2019年06月観劇メモ
劇場通いで、最近、向かい方とか受け取り方が変わったなあと思うこの頃です
- 正舞座@庄内天満座(旗揚げ公演)
「夫婦酒」「極楽長屋」 - H1(法話)グランプリ2019@須磨寺
- 劇団雪月花@オーエス劇場 鹿島順一劇団客演
「白磯銀次」「翔一人旅」 - 劇団新@鈴成り座「雨降る夜に」「この愛貫き我は汝の影となる」
- 森川劇団@明石ほんまち三白館「姥捨山」「浅草の灯」
- 藝術学関連学会連合シンポジウム「アマチュアの領分」@国立近代美術館
- 劇団寿@此花演劇館」(翔聖祭り)
「母恋吹雪」 - 賀美座@明生座「悪いやつ」「養子はつらいよ」
- 満劇団@九条笑楽座
大日方小とらさん・仁道竜之介さん誕生日公演
「次郎長外伝・追分三五郎」ゲスト吉原よしかずさん・桂団朝師匠 - 都若丸劇団@朝日劇場
「どっちもどっち」 - SUPER NOVA @箕面温泉スパガーデン一周年記念公演
「花笠文治」 - 劇団美山@浪速クラブ
「うちとおかんと時々おとん」 - 筑紫桃太郎一座花の三兄弟@新開地劇場
筑紫桃之助座長誕生日公演「乱蝶みだれ花 籠の鳥」
ゲスト藤千之丞さん - 劇団美鳳@浅草木馬館
「惚れた女房」 - 橘劇団@篠原演芸場橘大五郎座長襲名八周年
「白波小僧 春の淡雪」・大五郎名作七変化パート3
小月きよみさん誕生日公演「銀のかんざし」
ゲスト三河家諒さん - 京都新選組同好会副長による伏見巡りに便乗参加
2019年05月観劇メモ
今月も忙しかった…(←ばっかり言うてますが)
- 筑紫桃太郎一座花の三兄弟@梅田呉服座
「鶴八鶴次郎」ゲスト藤千之丞、早乙女紫虎 - 劇団しらさぎ@此花演劇館
「天竜流れ笠」「ごめんよおっかさん浅間の喜太郎」 - 森川竜馬劇団@庄内天満座
嵐山瞳太郎劇団合同公演「追われゆく男 風雲狼谷」 - 劇団荒城@ユーユーカイカン「殿様やくざ」
- 劇団雪月花@羅い舞座堺駅前店 with鹿島順一劇団
「アヒルの子」 - 「バツウケテイナー」公開収録@よしもと漫才劇場
- 本家真芸座@がんこ座ゲスト正舞座
「ドスと草鞋と三度笠」 - 浪花劇団@オーエス劇場
「花と剣 翡翠の壺」「床場小僧吉三郎」
「悲恋流れ星花かんざし」「俺は用心棒」 - 劇団新@池田呉服座花形Day「貝殻節は別れ唄」
- 桐龍座恋川劇団@羅い舞座京橋劇場「座頭市と平手造酒」
- 南條隆とスーパー兄弟@明石ほんまち三白館
「女座頭市 ichi」 - 劇団心@朝日劇場ゲスト三河家諒「お吉物語」
ゲスト劇団時遊・なおと「狂乱の舞」 - 三代目鹿島順一座長一周忌追悼公演@羅い舞座堺東店
「吉五郎懺悔」下座劇団松丸家 - 森川劇団@琵琶湖座「二つの命」
- おもちゃ劇団@梅南座「虎の改心」
ゲスト赤ちゃん婆ちゃん - 新川劇団@九条笑楽座「京都三条乞食でござる」